コラム

第1回 善に沿った動機

人の行動には必ず動機がある

例えば新しい仕事や事業に取りかかろうとするとき、それには必ず動機があるはずです。また、例えば大きな夢を描き、その夢の実現に向けて行動を起こす場合も、必ず動機があるはずです。人は何か行動を起こす場合、必ず動機というものが存在するはずなのです。大切なことは、その動機は、誰から見ても善であり、周囲の人々も賛同し、応援してくれる動機かどうか?ということだと思います。「事を起こす動機」を何度も何度も自問自答して、自分の動機が本当に善であるか?私心はないか?の判断をしなくてはなりません。もし、その動機が私心によるものや、自分だけ儲かるといった自分勝手なものであった場合、その行動は誰からも応援されず賛同どころか非難の対象となる可能性があります。


誰から見ても、その行いは「正しいこと」か?

善とは、「普遍的に良きこと」を指します。「普遍的」とは誰から見ても、その通りだということです。つまり、世界中の誰から見ても、その行い自体が「正しい」と評価される行動や事業、仕事というのが本当の善である、と京セラ創業者の稲盛和夫氏や、経営の神様と呼ばれた松下幸之助氏もおっしゃっていました。自分の利益や都合、格好などというものでなく、自他ともにその動機が受け入れられるものでなければなりません。ですので、何か物事を進めようとするとき、自分に対する利益や立場、地位だけを得るための私欲にまみれた動機や、自分たちだけが儲かれば良いといった自己中心的な思考で進めていくと、それは必ずどこかで破綻する方向へと舵が向かっていくのです。逆に、動機が善であり、私心が一切なければ結果など問う必要すらありません。必ず成功するのです。また偽善も同じです。いくら取り繕って、耳障りの良い言葉を並べても、その人の行動を見れば、その善の想いが本物の善なのか、それとも偽善であるのかは一目瞭然のはずです。言動不一致の人の言葉と行動が一致しないので、いくら綺麗な言葉を並べようが人間力の高い人は見抜きます。そういう人の周りには、耳障りの良い表面上しか見えない人が集まり、本物の人間力を持つ人は決して近寄りません。いくら良い言葉を並べても、結局、最後に行きつくところが自分の利益や都合、立場や地位だけを主張する人の周りには人は集まらないということです。


仕事の動機を見つけ、その大切さを知る

皆さんも仕事をする上で、仕事の動機をきちんと持たなくてはいけません。その動機とは、先述の通り、自他共に認められ、世の中から応援されるものでなければならないのです。私欲に満ちた動機が根底にある事業は、いつか必ず世の中から淘汰されるのです。皆さんも仕事の中で何かを判断する時、そこに人間関係や個人的な意見や思想などは一切なく、会社で働く全員にとっての「善」であるかどうかを考えて判断するようにしてください。是非、私心を無くし、利他の心を持って、会社の仲間のために、そして世の中の人々のためにこれをするのだ!という熱い情熱をもって、日々の仕事に取り組んでいただけることを願っております!1人1人が善に沿った動機を見つけてください。