世界で唯一のゼロマイルビジネス。距離だけでなく人も社会も大切に。
東京から九州へ!
「僕ならできる」と自分を信じたスタート
株式会社サエグサ薬品九州は、福岡県福岡市中央区に2018年に創設された健康サービスを提供する企業だ。北海道で長年にわたって地域の皆様の健康を支え続けてきた富山の個人売薬から成長を遂げ、2002年・株式会社サエグサ薬品が誕生した。北海道から遠く離れた九州に事業所を設立する形で2018年に創られた株式会社サエグサ薬品九州の初代社長を任されたのが三枝篤史氏だ。
三枝社長は、前職、東京の企業で華やかな現場で仕事を満喫していた。しかし、父が営むサエグサ薬品に営業職として入社することになる。入社した最初の営業先は北海道ではなく大分県だった。当時、大分県に営業所があり、突然「お前が九州に行け。」と父から伝えられた。九州には何の縁も無かったが、前向きな性格が幸いした。「僕ならどこでも生きていける」と前向きに受け止めることが出来たので、何の不安も無く、一人、大分県へと向かい営業職としてのキャリアをスタートした。
当時の大分営業所には、責任者の方がいて、その人の下で3年間を過ごしたが、衝撃を受けたのは初日の朝礼。自衛隊さながらの厳しい雰囲気の朝礼に度肝を抜かれた。声は大きい、全員が全力で声を出す様は、まさしく体育会系そのものであった。そうした厳しい環境下で過ごした経験は、正に営業の基本を身に付ける貴重な時間だったと三枝氏は当時を振り返った。
前職とのギャップに戸惑った新人営業マン時代
前職の仕事は、若い人たちとワイワイと会話を重ねながら、契約を3本ぐらい取れば終わりだった。午前中にまとまった契約が取れれば午前中に終わる事さえあった。前職は自分のペースで仕事ができる素晴らしい環境であった。
しかし、サエグサ薬品での仕事は、全く逆であり、朝から夜8時ぐらいまでお客様を訪問し、翌日も朝から延々と続く営業活動に衝撃を受けた。それでも「結果を出して帰る」という覚悟を持って日々の営業活動に取り組んだ。当時、1日16件の顧客訪問が会社から営業マンに与えられる訪問目標であったが、三枝社長は「工夫をすれば、もう少し回れるのではないか?」と考え、17件、18件と増やしていった。最終的には月1カ月で400件を超える訪問件数まで増やした。しかし、困難も訪れる。ほぼ1日中を営業現場で過ごし、しかも相手は高齢者の方ばかり。人見知りなどはないので、誰とでも気軽に話すことが出来る性格だったが、会話のリズムの違いに大きな戸惑いを感じた。前職で関わりのあった若い人たちは、皆それなりのペースで会話のキャッチボールが出来たのだが、年配のお客様になると、極端に緩やかだったり、極端に早口だったり。訪問先で会話が噛み合わないことも多く、会話のテンポを合わせて話すことがこれほど難しいものなのかと痛感した。
祖父を早くに亡くし、祖母も富山で離れて暮らしていることから、あまり年配の方と接する機会が無い生活を送ってきた。この仕事で初めて高齢者の方々と接することになり、当時の所長からは「もっとゆっくり話せ」「もっとフランクな言葉遣いを心掛ける事」と厳しい指導を受けた。しかし、その指導のお陰もあり、徐々に営業スタイルも確立されていった。また、お客様とどのように接すれば距離感は縮まるのか?と常に創意工夫を重ね続けたことによって、お客様との関係性が改善される手ごたえを感じた。
その後、訪問件数だけでなく、会話の仕方、お客様との健康課題の相談などの時間も考え、どのような営業活動のやり方が最適なのかを自分なりに検証した。営業マンとしての自分自身の営業活動のことだけを考えるのではなく、お客様の健康課題にもしっかりと向き合い、喜んでいただける活動の仕方を模索し、時間は掛かったが、そのお陰で最適解が見つかったと話す。
20年ぶりの営業現場で学んだ多くのこと
昨年、20年ぶりに営業現場を回ってみた。その理由は、サエグサ薬品も人手不足に頭を抱えており、フォローしきれないお客様が出てきたことだ。「人手不足でもお客様は待って下さっている」という想いから、自ら率先垂範してお客様のフォローアップを申し出た。従業員の皆さんからは「社長が回る必要はありません。」と言われたが、自分もみんなのために、そしてお客様のために何かをしなければならないと感じ行動した。20年ぶりの営業現場ということもあり、最初は少し緊張もしたが、やはり実際に回ってみると、たくさんの収穫が得られたという。お客様が今、何を求めておられるのか?ドラッグストアと私たちの違いは何か?など、直接、お客様の声を聞くことによって数多くの学びがあった。
また、驚いたのは20年前と変わらない営業スタイルで現場を回ったのだが、昔と同じようにお客様に受け入れられ喜んでいただけたことだ。お客様と「本物の関係性」を築くことの大切さは、現代社会においても通用するし、お客様の健康課題と誠実に向き合うことで、お客様から感謝をいただける素晴らしい仕事であることを再認識したという。
もう一つき気付いたことがある。それは、従業員の皆さんに対して基本的な教育が行き届いていなかったことだ。自分自身が経営者として、反省すべき点がたくさん見え、改めて社長自身が現場感覚を忘れてはならない重要性を感じただけでなく、従業員教育の方針も明確になり、社風を変えていかねばならないことを痛感したという。
また、社長自身が現場に出たことにより、社員の働く姿勢への理解が深まった。特に夏の暑い中で働く社員たちの努力を目の当たりにした。社長は使われていない古い車を使って現場に行くことが多いが、エアコンも効かない車での移動は非常に厳しいものがあり、身をもって体験した。それでも社員たちは元気に仕事をこなしているのを見て、改めて「よく頑張っているな」と感じている。
世界で唯一のゼロマイルビジネス。
距離だけでなく人の想いも大切に
「世の中には数え切れないほどの商品やサービスがあふれている。見渡せば、私たちと同じような商品もサービスもたくさんある。それに加えて価格差もあるので、私たちのサービスや商品が消費者の皆様から支持をいただき選んでいただくことがますます難しくなっている。そんな商品やサービスが溢れる世の中で、配置薬というビジネスだけが世界で唯一のゼロマイルビジネス。世界中に数多くのビジネスが溢れているが、みんなラストワンマイルをどう埋めるのか?に四苦八苦している。私たちのビジネスは、江戸時代から続く伝統あるビジネスであり、お客様と担当者が1対1で向き合って行われる仕事だ。特別な営業スキルや派手なアプローチがなくても、誠実に説明し、誠心誠意お客様のことを想い伝えるべきことをきちんとお伝えする。それだけで、お客様は私たちを選んでいただける自信がある。」と三枝社長は語った。ただ商品やサービスを提供するのではなく、心から人と人が向き合うビジネスという信念が込められた言葉に感じた。
自分流を貫き、働く人もお客様も笑顔に
三枝社長が、現職に就いたのは、北海道にある本社から、九州地区を独立させ分社化するタイミングであった。福岡県を中心に九州エリアの若きリーダーとして一任されたのがスタートとなった。以前の伝統や良い部分はしっかりと引き継ぎながらも、会社の長として少しずつ自分流にアレンジを加えていった。例えば、会社のコーポレートカラーはもともとグリーンだったが、社長が好きな海の色にちなんでターコイズブルーをコーポレートカラーに採用した。そして、会社のロゴマークに刻まれたビックリマークにも意味がある。3本重なったビックリマークのデザインには、“人を幸せにする”という想いが込められている。
企業理念は父の代から受け継いだものを大切にしながら、社長自身が大切にしている想いをカラーやロゴにも刻み、自分流の会社へと少しずつ変えていった。薬を届ける仕事に従事するからこそ、「まずは自分たち自身が元気な生活を送る見本でいることが大事」だと考えている。その思いから、各営業所には、従業員が自由に使用できるトレーニング用のマシンなどを設置し、社内から健康で明るい雰囲気づくりに注力している。単に商品やサービスを提供するだけではなく、「サエグサ薬品の人たちに会えば元気になるね!」と言っていただけるような人であることが私たちの役割だという。そんな三枝社長の思いが、従業員の皆さんにも少しずつ浸透してきている。
若者の積極的な採用で社内の活性化を目指す
三枝社長が考える業界の最大課題は、異業種にも共通する人材不足であると話す。人が不足するとお客様がいても、十分にサポートしきれない部分があり、お客様も健康に対する不安が増大すると考えている。これはサエグサ薬品だけでなく業界全体の共通の課題だと感じている。
そこで最近、若い世代の採用に力を入れはじめたことで、新たに2名の若いスタッフが入社する予定だと嬉しそうに語った。
若い人材が入社することで、雰囲気も明るくなり社内の活性化に繋がると期待を寄せている。この取り組みの背景には、人手不足のほかに従業員の年齢層の変化がある。サエグサ薬品九州には、長年勤めるスタッフが非常に多く、40代のベテラン層が中心。離職率が低いことは良いことでもあるが、そろそろ社内に新しい風を吹かせて新陳代謝をする必要性を感じたことがきっかけだ。


若手採用にあたっては、InstagramやTikTokなどのSNSアカウントを立ち上げ、企業の魅力や仕事の様子を動画でリリース。動画世代とも言われる若年層に向けて、企業の魅力や仕事の様子を視覚的に伝えることを意識している。また、会社の風土を感じてもらうことも大切だと考えており、先述の通り社内のトレーニング設備に関する内容を投稿したところ「自分もこんな会社で働きたい」「筋トレを始めたい」という若者の応募が増えた。企業の未来を担う若い世代の採用は、単に人材を補充するという観点だけではなく、新しい文化や価値観を取り入れる起爆剤だと捉えている。
また、業界も少しずつ変化しており、特にEMS商材や食品といった若い方々も馴染みのある新しい商品群の採用も積極的に行っている。しかし、商品力や商品のブランド力だけに頼っていると、自分達の存在意義が薄れてしまう。そのため、再び原点に立ち戻り、医薬品やサプリメントの取扱量を増やし、関連雑貨とのバランスを考えたサービス構成へとシフトしている。時代は急激な速度で変化していくが、事業の本来の意義や目的を見失っては本末転倒だと考えている。だからこそ、伝統ある配置薬産業の原点に立ち返り、その原点や先人たちの想いも守り続けることの大切さを改めて認識した。時代と共に変化すべき部分も必要だが、不変の部分があることも忘れてはいけないのである。
現場主義の経営で未来をつくる
三枝社長の思考の根底には、一貫して「現場主義」の精神がある。自身が営業現場を経験し、試行錯誤を繰り返してきたからこそ、従業員の皆にも「まずはやってみる」「試してみる」という「挑戦の精神」を大切にしてほしいと考えている。
「変わらないことが価値を生む部分もあるが、試してみなければ新しい気づきは得られない。現場で新たなことに挑戦し、動き続けることで、会社は成長し続ける」という言葉からは、挑戦を恐れず、常に現場と共に歩む社長の強い信念が感じられる。
三枝社長の「現場主義」はただの指針ではなく、社員一人ひとりが自らの力を信じて挑戦するための力強いメッセージだ。これからも、現場から得た気づきや挑戦をもとに、会社とともに未来を切り拓いていく――その強い意志が今後の成長を牽引していくだろう。
株式会社 サエグサ薬品 〒810-0034 福岡県福岡市中央区笹丘2丁目24-39
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